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(日本語) 電気式高速破砕機でCO2削減と効率化の両立を実現! SDGsに貢献し、エネルギーの地産地消を目指す中川工業株式会社(後編)

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富山市内で林業や土木、廃棄物処理業など、多岐に渡る事業を展開している中川工業株式会社様(以下、敬称略)。

本記事では、2023年春に導入いただいた、アルレコ社・高速破砕機AK640VE(電気式)の経緯や稼働状況などをご紹介しています。

前編では、当社営業の山下陽介に導入までの検討経緯などについて話を聞きました。後編は、社長の中川一郎氏へのインタビューをお届けします。

AK導入後の詳しい稼働の様子やメンテナンスの状況に加え、今後の再生可能エネルギー動向を見据えた展望など、幅広い視野を持って事業を展開する中川社長に、その熱い想いを語っていただきました。

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中川一郎社長

信頼できるスタッフと幅広い製品ラインナップが決め手に!

−−アルレコ社・AK640VEの導入にあたり、実際に使用されている事業所を視察された際、どのような印象を持たれましたか?

中川社長:
「サナースの営業の方と一緒に、3カ所程度現場を見せてもらいましたが、実際に動いている様子を見て、それまで説明を受けていた通り、処理能力がかなり高いと感じましたね。

それに、使用している方の声を聞けたのがとてもよかったです! 彼らの話から、実際の稼働も、おおよそ私が抱いていたイメージ通りだなと確認できました。

音が静かなことも印象的で、実感を伴って電気式のメリットを理解できましたね

−−AK640VEを導入した一番の決め手は、やはり「処理能力の高さ」だったのでしょうか?

中川社長:
「う〜ん、それはすごく微妙かな(笑)。処理能力はもちろん大きな要素ですが、それだけではないですね……。 機械の性能が良いことは大前提として、その後の対応面についても気にかけていました。AKは海外製だから、メンテナンスなどのアフターフォローをしっかりしてくれるかどうか。ここが大事なポイントでしたね」

−−サナースなら、「(フォロー体制も)大丈夫そうだ」と思っていただけたのでしょうか?

中川社長:
「そうですね、営業スタッフが信頼できると感じました。説明を聞いたり、やり取りしたりしていると、だいたいわかるんですよ。こちらの要望にも、誠意を持って一生懸命対応してくれていましたし、ここなら大丈夫かなという想いがありました。
もちろん、個人的な信頼関係だけでなく、会社全体としての体制もしっかりしていると感じました。それに、今回導入した高速破砕機だけでなく、林業やバイオマス発電系の機械など、サナースが多様な製品を扱っていることも、導入を後押しした面がありましたね。
今後は、林業機械の導入なども視野に入れて検討しており、いろいろと相談や連携ができそうだなと感じています」

サナースが取り扱う林業機械・タワーヤーダー

−−実際、稼働後のメンテナンスやフォローアップはいかがですか? ご期待に添えているでしょうか……。
中川社長:
「導入後も、営業担当の方が素早く迅速に対応してくれますし、フットワークの良さはずっと変わりませんね! 不具合や故障など、何も起こらないに越したことはないですが、機械はなかなかそうもいきませんからね。やっぱりメンテナンスが大事になるので、サナースさんは対応が非常に早くて助かっています」

−−そうした声をいただいて、一安心しました。
 

生産量は2倍 ランニングコスト3〜4割カット さらに作業者のストレス低減も!!


−−AK640Vを導入されてからの、チップの生産量はいかがでしょうか。

中川社長:
「これまでと比較すると、2倍くらいになりましたね!
機械の能力的には3倍程度生産できる力がありますが、当社が作るチップはかなり細かいので、一般的なサイズのチップより量が少し抑制されてしまうんです。でも、その分余裕を持って稼働することができています。

破砕機から排出されたチップ材

以前の機械はかなり目一杯、90%以上で動かしていましたが、今は60〜70%の力で生産量が2倍ですから、やっぱり段違いですね。
AKは電気式なので、メンテナンス自体にかかる時間はかなり少なくて済みますが、点検したり掃除したりしながら、休ませる時間はやっぱり必要です。少ない稼働時間で生産量を確保できることは余裕を持った作業につながり、機械にも、機械を動かす人にも優しいと感じています」

−−AKのランニングコストについて、これまでの機械と違いはありましたか?

中川社長:
「コスト面ではかなり変化がありました。ランニングコストでいうと、おおよそ3〜4割削減できましたね。
視察で訪ねた会社からも同様の話を聞いていたので、予想通り順調にコストカットできているという感じです。
そして、先ほども少し触れましたが、メンテナンス面ではかなり楽になりました。燃料を追加する必要がないですし、点検事項もとても少ないので、作業員も喜んでいます」

−−その他に、現場で作業する方々から挙がっている感想などはありますか?

中川社長:
「何といっても音が静かだから、作業しやすいようです。大きな音の中で長時間作業していると、どうしてもストレスを感じてしまいますよね。騒音が低減し、快適度合がアップしました。

AK640VEに材料を投入する様子

あと、電気式は安全面でもメリットがあると感じていますね。燃料を使っていないので火災の心配が少なく、排熱もエンジン式とは質が異なります。そうした面でも、仕事環境が向上したと思います。
効率が上がったことで、余裕を持って作業に取り組めるという安心感も大きいですね」
 

プラント全体で脱CO2を目指し、SDGsに貢献!


−−その他の機械も電気式に切り替えて、CO2を排出しないプラントを目指しているとお聞きしました。

中川社長:
「少し前に、油圧ショベルも電気式のものを導入しました。 エンジン式から電気式に切り替えていくことで、着実にCO2削減を実現していきたいと考えています。

プラント内の作業風景

廃棄物処理を行えば、以前は単なる「ごみ」であった木の枝や幹が、木質チップなどの燃料に生まれ変わります。こうした面でも、当社で処理事業を開始した時から、地域の事業者に必要とされている実感がありましたが、この数年は、さらにそこからもう一歩進んでSDGsや脱炭素の考え方が浸透しています。ですから、処理事業そのものだけでなく、プラント自体のCO2削減も求められていると実感します。
繰り返しになりますが、電気の機械に切り替えていくことで、環境面はもちろん、騒音の問題も解決できますから、地域住民の方々にも良いことだと感じます。今はまだ途中段階ですが、CO2を排出しないプラントを目指して、これからも電気式の機械を導入していきたいです」

中川工業の事務所

−−中川社長の環境への熱い想いの原点は、どこにあるのでしょうか?

中川社長:
「当社は元々、先代が林業から始めた会社なので、山で仕事をさせてもらってきた、という意識は強いかもしれません。
実際に自然の中で仕事をしていると、やっぱり環境的に以前とは異なる部分が出てきているのを肌で感じますね。全てが地球温暖化の影響かはわかりませんが、確実に変化してきていると感じます。
山が荒れて食糧が減っているからか、これまではいなかった場所でもクマや鹿、イノシシを見かけるようになりました。クマは木の幹を削って舐めるんですが、その影響で枯れてしまう木も増えています。
やはり私たちは自然環境あっての存在ですから、温暖化の影響を食い止めるために、少しでもできることをやっていきたい。そういう想いがあります」
 

エネルギーの地産地消を目指して


−−中川社長は、バイオマス発電事業などにも関心を持たれているとお聞きしました(詳細は前編参照)。

中川社長:
「当社は現在、木質チップを生産することで再生可能エネルギーに携わっていますが、私自身は、エネルギーの『地産地消』が大事なんじゃないかと考えているんです。
富山県の周辺地域では、バイオマス発電所が次々新設されています。これは私の個人的な考えですが、そのうちに燃料自体が足りなくなるのではないかと予想しています。
そうなった時に、海外製のペレットを輸入してきて発電するのはどうなんだろう……という想いがあるんですね。現在でも、PKS(やし殻)を輸入している発電所もありますし、その会社の考え方もあるので一概に否定はできませんが、私としては、やっぱり、地域の資源は地域で使うのが一番だと思っているんです」
−−バイオマス発電は「エコなエネルギー」と言われますが、わざわざ輸入してきたものを使っていたら、本当に環境に良いことなのか……疑問も出てきますよね。

中川社長:
「そうなんです。資源が地域で循環する=地産地消することに意味があるので、何とかそうした仕組みを整えることができればと考えています。
地産地消を実現するために私が今一番力を入れているのが、木質チップの質を上げることです。石炭と同等程度のカロリーを有したチップで値段も同じであれば、より多くの発電所に選んでもらうことができます。そうした高品質のチップを目指して、どうしたら質の向上を図れるのか、いろいろと試行錯誤している最中です」

完成したチップ

−−地域でエネルギーが循環することまで視野に入れて、事業を展開されているんですね。

中川社長:
「品質がよければ『このチップでないとダメだ!』となり、(輸入品よりも)選んでもらえると思います。そうすると、自然とエネルギーが地域で循環するようになりますからね。そこを目指して、日夜チップの改良に励んでいます!
とはいえ、現状ではこれ以上今の事業所内で生産量を増やすのは難しい状況です。生産量アップのためには、品質の向上を目指しながら、同時に県内に新しい処理施設を設け、そこを拠点にチップを再生していくしかないだろうと思っています。
どちらにしても、品質の高さが不可欠で、今はまだそのレベルにまでは至っていないと感じています。もう一つ二つ工夫を施して、品質向上を図っていくことが直近の目標です」

−−ありがとうございました。 私たちサナースも、引き続き全力でサポートしていきます!

(おわり)

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▶︎本記事の前編はこちら

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アルレコ社・高速破砕機AKシリーズ