有限会社川井木材様 高性能機器導入で、経済性と作業の安全性、効率化を追求 ~ 機械も人も少数精鋭での木材生産現場を実現

有限会社川井木材様は、四国山地の中央部に位置する自然豊かな町、高知県長岡郡本山町にあります。町内を清流・吉野川が流れ、山々に囲まれた美しい景観と水資源に恵まれ、林業の盛んな地域です。
この環境の中で、約300ヘクタールの山林をもち、オーストリア KONRAD社製のタワーヤーダ―KMR4000UとLIFTLINER、ハーベスターWoodyを導入して、年間15haから20haのスギ・ヒノキを中心とした国産材の生産、販売をされています。
川井木材様では、成熟林を購入されることで、生産を進めてきました。今後も同様に成熟林を増やすとともに、保有林の整備と森林育成にも取り組んでいかれる方針です。
今回は伐採、搬出を行っている山林で、代表取締役 川井博貴様(写真 右)と、現場で操作をされている林産事業課長の田上政一様 (写真 左) にお話を伺いました。
【導入機械】
■KONRAD (コンラート)社
・ハーベスタヘッド WOODY61
・自走式クローラー型タワーヤーダーKMR4000U
・搬器 LIFTLINER
■Doppstadt (ドップシュタット)社
・ 一軸高速回転破砕機 AK565K
取材日 : 2025年12月22日(月)
取材対象 :
・代表取締役 川井 博貴氏(かわい ひろき)様
・林産事業課長 田上 政一氏(たのうえ まさかず)様
場所 : 高知県長岡郡本山町 山林伐採現場
企業戦略としての機械導入の背景と成果
川井木材様では、かつて複雑にワイヤーを張って木材を搬出する「架線集材」を行っていました。
現在でも「架線集材」を行っている林業現場は多くあります。
先代社長は、安全性と技術継承の難しさ、架線にかかる手間と時間に課題感を持っていらっしゃいました。
そこで、ヨーロッパでの先進事例を参考に13年前「タワーヤーダー」の導入を決断。
導入当初は従来の作業方法との違いから運用に苦戦されましたが、現場の作り方をタワーヤーダ―に合わせて最適化し、現在では安定した運用体制を築いています。
500mの架設作業にかかる時間は4~5人/班で1週間。30人区から40人工かかることになります。
一方タワーヤーダーは3人/班で1.5日で張り終わります。4.5人工。1/8で済みます。現在ではワイヤーを張るのに事前にドローンで縄を張り回すことでさらに0.5日の短縮。1日で集材準備が整います。1/10ですね。
年間に換算すると1か月くらいの作業短縮、人工も1/10になるのでその生産量も、収益も上がります。

タワーヤーダーには、LIFTLINERとオートチョーカー(遠隔操作で釣り下げワイヤーを取り外す装置)も同時につけています。
リモコン操作での下ろし、荷外しが可能です。
集材スピードが上がると造材スピードが追い付かなくなって、現場の作業バランスが取れなくなってため、そこで、導入したのが、タワーヤーダ―と同じKONRAD社のWOODY61です。
当時持っていたベースマシンは12トン(0.45)クラス。これでは造材能力が不足していたので、20トン(0.7)クラスのベースマシンを購入し、Woody61と組み合わせました。導入前と比べ造材工程の効率が上がった事により集材作業とのマッチングが取れたと思います。
今ではタワーヤーダーで全木集材し、WOODY61により造材と土場でのハエ立て作業を一貫して行っています。
また、従来の機械では難しかった大きな枝払いや木の先端部分までの造材を行う事がWOODYのトップソー機能により可能になりました。
この組み合わせで集造材の作業を2人でこなすことができます。さらに、造材工程で出た枝葉や端材等の副産物もDoppstadt社のAK565Kで破砕し、燃料用チップに加工して収益化できています。


機械の満足度を伺わせてください。
この組み合わせはぼぼ満点です。
タワーヤーダーも長年使っても問題なく、WOODYは導入してから8年。8,000時間を超えても大きな故障もありません。
操作性も非常に高く、習得も容易です。
オートチョーカーも組み合わせることで集材1サイクル(約10分)にかかる作業時間を1~2分程度短縮できます。これを1日辺り数十サイクルは積み重ねると大きい。
しいて言えば、国産機に比べてメンテナンスが難しいところですが、そもそもトラブルは少ないですね。
現状でタワーヤーダ―に欲しい機能はもう一段階上の自動警告や、緊急停止機能の2重の安全機能。
WOODYは多機能と総合的なバランスなので仕方ないところはありますが、もう少し軽量化されるといいですね。
現場運用と事業面での人員削減と、収益性について伺いましたが、経済性についてはいかがでしょう
そこです。タワーヤーダーの導入は燃料コスト面でも絶大な効果を発揮しています。
1日の消費燃料は搬器と合わせて約30ℓ。ハーベスターを合わせても約120ℓ/日と、フォワーダなどの複数の重機を動かす車両系集材現場に比べ約半分です。
初期投資額も複数の重機を必要とする車両系集材の現場と比較して、使用する重機の数が少なく済むため総額ではあまり大差ありません。
時間コスト、人員コスト、ランニングコストすべてでメリットを出すことができると思います。
林業現場の未来と現実
メディアではスマート林業の施策、AIの現場への導入、無人化への技術開発が多く取り上げられていますがいかがでしょう
実証現場の視察などを行っていますが、自動集材装置は現状ではまだまだ成功率が低く、経済性に見合うレベルに達するには時間がかかると思っています。
60年、100年先を見据えての仕事なので技術の発展は喜ばしいことではありますが、それでも人は必要です。
働く人に焦点を当てたオペレーターの作業環境改善、高性能機器による効率化など、今できることに投資をすることが重要だと考えています。

取材後記
有限会社川井木材様では、まさに木材生産を少人数で効率よく行っています。
今回はDoppstadt AK565Kでチップ生産をしている現場までは取材できませんでしたが、当社から機器を購入いただくことで、貴重な資源である、木材の残存価値を最大化し経済効果を高めた現場を実現できていることをご紹介できたことを感謝申し上げます。
サナースでは事業ベースで、林業現場の安全性と、効率化、少人数化を実現するご提案をしています。その森林の価値の最大化に私たちも一緒に挑戦をさせてください。





