この度、NEW環境展に出展することになりましたのでお知らせ致します。
  • 主催者公式ページ
  • 日時 : 2024年5月22日(水)~24日(金)
  • 会場 : 東京ビッグサイト
  • サナースブース位置 : 東1ホール A161
  • 主な紹介製品 :産廃の選別プラントの上流から下流までの工程で使う欧州機械をご紹介します。

    金属・木くず・廃プラスチック・リサイクルに関連する製品の御説明を行います。

    BRT HARTNER社 破袋機 バッグオープナー定量供給機能付き

    今回新製品、ドイツのBRT HARTNER社製 破袋機(定量供給機能付き) バッグオープナー実機展示を致します。
    バッグオープナーは材料を破砕・圧縮することなく袋を開封し、材料のラインへの安定供給を行うことができます。

    他には大型の破砕機マテハン機(投入機)、金属や廃プラ・黒や軽量プラスチックを選別する為のX線、近赤外線、カラーカメラを搭載したセンサー選別機や磁選機や非鉄金属選別機といった様々な選別機をご紹介します。

    また、販売とサービスにおける作業プロセスの効率化を図るimmediate interaction社(ドイツ)のウェブ及びモバイルアプリケーションもご紹介いたします。

皆様のご来場をお待ちしております。
お誘い合わせの上お越し下さい。

展示会SEA JAPAN内で開催されるオフショア・港湾技術展に出展致します。

オフショア・港湾技術展は港湾管理技術に加え、新たな成長市場として期待される「ブルーエコノミー」や洋上風力発電をはじめとした「海洋再生可能エネルギー開発」、国内の動きが活発化している「カーボンニュートラルポート」など新たな海の産業にフォーカスした展示会です。

弊社はカタログや動画を用いて、バラ貨物を効率よく安心安全に荷揚げするドイツ製の港湾荷役機械紹介します。
軽量 低騒音 低粉塵のニューマチックアンローダー、スクラップや丸太を素早く荷揚げする港湾荷役用電動マテハン機を中心に御説明を行います。

また最終日4月12日(金) 10:20-10:50 に弊社ブースの目の前のC会場で出展社プレゼンテーションを行います。

弊社の製品について詳しく話を聞いてみたいと思っていた方、この機会にご来場ください。

展示会スマートエネルギーWeek内で開催される国際バイオマス展に出展致します。

スマートエネルギーWeekはバイオマス発電、太陽光発電、風力発電や二次電池、水素・燃料電池などエネルギー分野7展が同時開催される展示会です。

世界中から来場する世界最大級のエネルギー総合展で、セミナープログラムも豊富。全200公演行われます。
また資源回収・リサイクル・再製品化技術も紹介されるサーキュラー・エコノミーEXPOや脱炭素経営EXPOも同時に開催されます。

弊社はその中のバイオマス展にグループ会社KSバイオマスエナジーと共同出展致します。
カタログや動画を用いて木質破砕機チッパーマテハン機ニューマチックアンローダーを中心に御説明を行います。

弊社の製品について詳しく話を聞いてみたいと思っていた方、この機会にご来場ください。
  • 公式サイト:国際バイオマス展
  • 会場:東京ビッグサイト
  • 会期:2月28日(水)~3月1日(金)
  • サナース小間番号 : 東3ホール 小間番号 E22-30
展示会への入場は無料です。来場登録が必要です。

今回ご紹介するのは、グリーンウッドリサイクル株式会社様(以下、敬称略)です。

2020年、茨城県大子町にて誕生した新しい会社、グリーンウッドリサイクル。今年(2023年)9月から木材リサイクル事業を開始し、破砕処理を行う新プラントには、ドイツ・アルレコ社の高速破砕機AK540VE及び、ふるい分け機SST725を導入いただきました。

事業開始や機械導入の経緯、今後の展望などについて、当社担当の山下陽介に聞きました。

営業担当の山下。

新会社を設立し、 木材リサイクルを事業化!


グリーンウッドリサイクルは、同じく太子町で林業を行う、株式会社ヨシナリ林業様(以下、敬称略)が設立した会社です。伐採時に切り落とした枝葉や間伐材、製品にならない丸太などをチップ化し、資源として有効活用するために、木材リサイクルに特化した新会社を立ち上げました。

サナースが初めてグリーンウッドリサイクルを訪問したのは、2020年のこと。営業担当の山下は、当時をこう振り返ります。

営業担当山下(以下、山下):
「グリーンウッドリサイクルさんは、同じ北関東で木材の中間処理事業を手掛ける事業者さんからのご紹介でした。工場予定地は、当時はまだ何もない状態だったことをよく覚えていますね。

破砕機については、ご紹介先の会社が低速破砕機DW、高速破砕機AK、ふるい分け機SSTの各シリーズを3台連結して使用していましたので、ある程度イメージが固まっていて、機械のメリットなども良くご存知でした。

当初よりアルレコ社の破砕機の処理量の多さなどを、高く評価いただいていると感じていましたが、やはり大きな投資となりますから、ご紹介企業以外の事業者への視察もご案内し、しっかりと稼働状況を確認・吟味していただきましたね」


3台導入から2台に変更 事業全体のベストを探って提案


導入企業の視察などの検討を経て、グリーンウッドリサイクルが導入を決めたのは、AK540VE(高速破砕機)とSST725(ふるい分け機)の2台でした。

山下:
「ご紹介企業が3台を導入していましたので、当初は先方も同様のラインで検討されていましたし、私たちもそうした前提に立っていました。

しかし、検討を進めるうちに、『3台を導入するとなると、工場の敷地面積的に難しいのではないか』という課題が出てきました。さまざまな面から詳細に検証を続けた結果、一次破砕を行う低速破砕機の導入は見送り、高速破砕機とふるい分け機、2台でスタートすることになりました。

もちろん、低速破砕機があればより効率的なチップ生産ができますが、全体の予算、敷地面積を鑑み、3台同時に導入するよりもまずはできる範囲で余裕を持って事業を開始し、その後状況に応じて変更した方が良いと考えたからです。

導入時はアルレコ社本社から技術者が来日し、話し合いながら調整します。


特にグリーンウッドリサイクルさんの場合は、新たな会社でスタートを切る大切な時期ですから、設備投資が膨らみすぎて、ランニングコストを圧迫するのは好ましくありません。

機械のことだけでなく、事業全体が良い方向へと進んでいくことを常に考えながら、最善策を示すことが私たちの仕事です。ですから、敢えて2台での導入を提案しました」


CO2削減にとどまらない電気式のメリット


今回導入いただいた高速破砕機AK540VEとふるい分け機SST725は、ともに電気式の機械です。

山下:
「先方は、当初から電気式を希望されていました。木質チップを生産する工場ですから、環境配慮を前提として考えられていたのかもしれません。

また、破砕機は建屋の中に設置することが決まっていましたので、騒音や排熱の観点からも電気式のメリットのほうが大きく、私たちも基本的に電気式を提案しました。

元々、林業に携わる中で、林地残材の有効活用を目指して立ち上げた会社ですから、環境面についても意識が高く、CO2排出量の少ないものを選択しているのだと思います」

導入時にAK540VEを調整する様子。

木材リサイクルで使用する破砕機については、電気式の機械を希望される会社が多くなっていますが、電気式破砕機について、山下はこう付け加えます。

山下:
「先ほども申し上げたように、電気式にはCO2排出面以外にも、騒音や排熱が少ないなどメリットがあります。周辺に住宅地などがある、屋内に破砕機を設置する場合などは、電気式がベストな選択になると思います。

しかし、屋外設置で広い敷地内を移動しながら破砕するケースでは、むしろエンジン式の方がエネルギー効率的にも生産効率的にも良いこともあります。『電気が100%効率的でエコ』というわけではないので、そこはお客様のプラントや事業内容によって、最善となる機械をご提案していますね」


順調に事業をスタート! より効率的なチップ生産に向けて……


グリーンウッドリサイクルは、2023年9月から本格的に稼働を開始し、木質チップ生産を行っています。

山下:
「ヨシナリ林業社長のご子息がグリーンウッドリサイクルの社長に就任され、工場を管理されています。元々林業の現場で活躍されていましたが、新しい事業の開始が決まってからは、木材リサイクルについても勉強され、現在は破砕機のメンテナンスも含め工場の運営に専念されています。

若くてエネルギーもあり、研究熱心で実直な方なので、今後もしっかりと事業を軌道に乗せ、発展させていくだろうと確信しています」

実際に稼働するAK540VE。


順調に生産を続けていますが、少しずつ課題も見え始めており、「今後も丁寧にサポートしていきたい」と山下は語ります。

山下:
「稼働し始めたこの数カ月は、当初の想定よりも太い枝や幹、抜根などが多く、高速破砕機に入れる前処理に時間がかかっているとのことでした。こうした状況が続くようであれば、やはり低速破砕機を導入した方が効率化が図れるので、今後は情報を共有いただきながら、必要に応じて低速破砕機導入の再検討も提案できればと考えています。

ただ、工場の作業効率やオペレーションを考え、固定式ではなく移動できるタイプも視野に入れるなど、さまざまな方法についてベストな策をご提示していきたいです。

稼働が始まってからどれだけ丁寧に支援していけるかが、一番重要だと考えています。今後もグリーンウッドリサイクルさんが安心して事業を行っていけるよう、また、さらに効率的な生産ができるよう、最善を尽くしてサポートしていきたいです」

新しい会社を設立し、リスクを恐れず木材リサイクルに挑戦したグリーンウッドリサイクル。サナースも、全力で支援を続けていきます!



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今回ご紹介するのは、2023年10月から新たに木材リサイクル事業を開始した、株式会社サンフジ様(以下、敬称略)です。

新事業開始に当たって「サンフジウッドリサイクルセンター」を竣工し、ドイツ・アルレコ社の低速破砕機(DW Type206)、高速破砕機(AK540VE)、ふるい分け機(SST725)の3台を導入いただきました。

新規事業開始に至る想いや機械の選定、新規工場の設計等について、当社営業担当の副島 龍太に聞きました。


ハードルの高いリサイクル業に挑戦した理由


サンフジはこれまで、仮設足場工事業を中心に、産業廃棄物収集運搬、建物解体、伐採工事など、幅広い事業を行ってきました。そして今回、新たな挑戦として産業廃棄物中間処理業を開始し、木材リサイクルの分野にもその範囲を広げることとなりました。

営業担当の副島は、木材リサイクル事業への新規参入について、こう説明します。

副島:
「サンフジさんが行う伐採や解体工事などでは、多くの廃棄物が排出されます。これを単に処分するのではなく、資源として活用していきたいと考え、中間処理業を検討されるようになったそうです。

元々、環境省の『エコアクション21』を取得・運用していますし、SDGsにも熱心に取り組まれている会社です。事業を開始できれば、自社の廃棄物を有効活用することはもちろん、地域全体のリサイクル率向上にもつながると考え、ハードルが高いといわれる廃棄物中間処理業の許認可取得とプラント建設の実現に向けて、尽力されてきました

中間処理業の許認可は、数年間を要する一大プロジェクトです。サンフジは、厳しい条件や近隣の方の理解などさまざまな課題をクリアし、営業許可の取得と「サンフジウッドリサイクルセンター」の稼働にこぎ着けました。

稼働する低速破砕機・DW Type206


現場視察で実感いただいた処理量の多さとサポートへの信頼感


プラントの建設に当たり、一次破砕を行う低速破砕機・DW Type206二次破砕を行う高速破砕機・AK540VE破砕後のチップを選別するふるい分け機・SST725を、ラインで導入いただきました。どのようなプロセスで決定されたのでしょうか。

副島:
「新規プラント建設のために、メインの破砕関連機械だけでも3台揃える必要があり、かなりの投資が必要となります。そうした投資に見合うスペックの機械なのか、実感を持って確認していただくために、実際に上記3台をラインで運用されている会社にご案内し、稼働状況を視察いただきました。

群馬1社と神奈川の2社、計3社を訪問する中で、DWやAKの特徴である処理量の多さを実感いただきました。さらには、事業者の方と直接お話ししたことで、メンテナンスや故障・修理時の対応などについても、安心されたようです

メンテナンス面は、輸入機械特有の課題であり、多くの方が心配され、ご質問なども頻繁に受ける分野です。もちろん私たち営業も、迅速なメンテナンス対応の仕組みや、木更津マシンパーク内に豊富なスペアパーツを保有していることなどをご説明していますが、やはり日々機械を稼働させている事業者のみなさまの声には説得力があります。不安の軽減につながり、導入のご決断をいただけたと感じます」

導入されたふるい分け機・SST725

こうして、破砕機及びふるい分け機の導入が決まり、プラントの詳細設計に入っていきました。


電気式機械の導入で、環境にも人にもやさしい工場を実現!


実際に破砕を行う工場のレイアウト等については、どのように進んだのでしょうか。

副島:
「新しい工場になりますので、機械の稼働に必要な敷地面積に始まり、動線的な部分でのご提案まで、詳細な部分も含めてしっかりと打ち合わせし、レイアウトを詰めていきました。 その際、設計士も現場に出向いて確認し、効率的な稼働ができるよう知恵を絞りました。

また、今回導入いただいた機械は全て電気式なので、ケーブルも含めて適切な配置をすることが重要になります。こうした面でも積極的に提案・議論を行い、効率面や安全面に配慮した工場建設をサポートさせていただきました」

導入された高速破砕機・AK540VE

サンフジウッドリサイクルセンターでは、上述の通り破砕機も電気式を導入していますが、それだけでなく、プラント内の重機も電気式を採用しているそうです。

副島:
「先ほども少し触れましたが、サンフジさんは環境配慮への意識が高い会社です。CO2排出ゼロを実現するために、電気式の機械を積極的に選んで導入しています。 また、電気式は騒音や排熱も少なく、環境面だけでなく工場内で働く従業員の方への配慮、さらには近隣地域への配慮にもつながります。環境にも人にもやさしい、持続可能な社会を目指している姿勢が、こうした選択にも表れていると感じますね」


チャレンジ精神が社内に波及 持続可能な社会に向けて


この数年間、一連の事業開始準備などを通じて、副島は「社長の新しいことに挑戦していきたいという熱意と人を大切にする姿勢」を感じたと話します。

副島:
「サンフジを創業し、現在まで発展させてきた芹沢社長は、リーダーシップはもちろんのこと、未来を見据えて新しい事業を始めるチャレンジ精神が強く、人を惹きつける魅力のある方です。

それは、社員の方々を見ていても実感します。みなさん社長を尊敬していますし、会社を盛り上げていこう、新規事業を成功させようという気概があるんですよね。

社長自身が従業員の方々を大切にしているからこそ生まれる雰囲気で、勢いのある会社特有のものだと思います。これからの事業展開が非常に楽しみです」

できあがったチップ

10月から稼働を開始した「サンフジウッドリサイクルセンター」、順調に破砕を行い、木質チップを生産しています。

副島:
「まずは無事にスタートを切ることができ、ほっとしていますね。ただ、機械はどうしても動いてからしかできない調整があり、今後もさまざまな対応が必要になると思います。もちろん課題も出てくることが予想されますので、その都度迅速に対応・解決していくことが大切になります」

持続可能な社会を目指し、CO2排出ゼロで廃棄物から木質チップを生み出す。サンフジのみなさんの新しい挑戦を、サナースも全力で支援していきます。

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今回ご紹介する中川工業株式会社様(以下、敬称略)は、富山市内で林業や土木、廃棄物処理業など、幅広い事業を展開しています。
2023年3月に、ドイツ・アルレコ社の高速破砕機AK640VE(電気式)を導入いただき、現在順調に木質チップの生産量を増やしています。

前編は、当社営業の山下陽介に、導入までの検討経緯や会社のビジョンなどについて話を聞きました。

▶︎中川工業株式会社のWEBページはこちら
 

電気式高速破砕機・AK640VE導入に至った経緯


2021年、山下は前任者から中川工業の担当を引き継いだあとの状況について、こう説明します。
 
営業担当の山下陽介

営業担当・山下(以下山下):
「中川工業はそれまで、エンジン式の高速破砕機を使用されていましたが、工場全体でCO2削減を加速させていくために、電気式に切り替えたいという意向をお持ちでした。

前任者が実際に電気式のAKシリーズを導入している現場にご案内するなど、ご検討のサポートをしていました。現場を見たり実際に導入された事業者の方に話を聞いたりして、具体的なイメージを持つことができたようですね。

私が担当を引き継ぐ時には、導入に向けて詳細部分の調整などを行う段階に入っていました」

実際に稼働するAK640VE

中川工業がAKの導入前に使用していたのは、国産の破砕機でしたが、輸入機械の導入について、不安などはなかったのでしょうか。
中川社長は非常に研究熱心で、常に時代の一歩も二歩も先を見ていらっしゃる方です。目標実現のために、さまざまな試行錯誤も厭いません。その一つの手段として、性能の良い機械の導入を検討されていたのだと思います。

電気でも効率的に動くかどうか、目指す方向に近づいていけるかどうかを重視する機械を探していたところ、輸入機械になったということではないでしょうか。

もちろん、故障時などのフォローアップ体制などは気にされていましたので、メンテナンス面でのサポートについては、しっかりと継続してアフターサービスしていく旨をご説明しました」

 

「CO2排出ゼロプラント」を目指して

エンジン式を使用している場合、電気式に替えるためには工事が必要となるなどのハードルがあり、二の足を踏む経営者もいます。しかし、中川工業の社長には、そうした面は一切なかったといいます。

山下:
「中川社長は当初から、電気式に非常に強い関心を持たれていました。デメリットが強調されがちな電気式機械ですが、エンジン式に比べて機械の寿命が長く、長期的な視点で見れば有利な点の方が多いです。

そのあたりは、私たちの説明に加え、視察を通して納得いただいたようでした。

また、中川社長は今後、二酸化炭素を排出しない『CO2ゼロプラント』を実現したいという構想もお持ちです。その第一段階として、電気式のAK640VEの導入が位置付けられていたのだと思います。

油圧ショベルなども電気式のものを導入されており、現状でもCO2の排出はかなり削減されています。環境面に対する意識がとても高い会社です」

電気式の機械が複数稼働する中川工業のプラント

未来を見つめ、社会のために挑戦し続ける会社

中川社長の探究心は、高速破砕機だけに留まらず、非常に多岐に渡っているといいます。

山下:
「中川社長には、導入いただいた破砕機以外にも、林業機械やバイオマス発電に関する情報など、訪問時やお電話でたくさんご質問をいただきました。

私自身は、それにお応えするのに精一杯だった面もありますが、社長とお話しさせていただくなかで、『未来をしっかりと見据え、社会のために今後進む道を自ら開拓していく姿』を見せていただき、大変感動しました。

社長が目指す未来を実現するために、少しでもお役に立ちたいという気持ちで、これまで伴走してきましたね」
 

自社だけでなく、地域社会全体を盛り上げながら循環型社会を築く

廃棄物からの木質チップ生産、CO2ゼロプラントの実現など、中川社長の環境配慮を重視する姿勢は一貫しています。

山下:
「中川工業は元々林業からスタートされた会社ということもあり、木材関連の再資源化などには常に注目されてきました。

また、バイオマス発電やバイオガス発電・熱利用などについても高い関心を持たれています。これまでも、発電事業などに強い協力会社の方や、セミナーなどの情報をご紹介させていただきました。

中川社長の目には、他の団体や会社と協力して再生可能エネルギー事業に取り組むことで、地域全体を盛り上げ、活性化しながら循環型社会を築いていきたい、という明確なビジョンがあります。

自社にとどまらず、地域全体で環境に配慮しながら発展していこうとする姿は、とても頼もしいと感じます。今後もできる限り、サポートさせていただきたいです」

AK640VEでチップ化する様子

後編では、AK640VE稼働後の状況(生産量やオペレーターの作業環境、コスト面の変化)、今後の展望などについて、中川社長ご自身にお話を伺います。

(後編へつづく)

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▶︎本記事の後編はこちら

▶︎アルレコ社・高速破砕機の製品情報についてはこちら
アルレコ社・高速破砕機AKシリーズ 富山市内で林業や土木、廃棄物処理業など、多岐に渡る事業を展開している中川工業株式会社様(以下、敬称略)。

本記事では、2023年春に導入いただいた、アルレコ社・高速破砕機AK640VE(電気式)の経緯や稼働状況などをご紹介しています。

前編では、当社営業の山下陽介に導入までの検討経緯などについて話を聞きました。後編は、社長の中川一郎氏へのインタビューをお届けします。

AK導入後の詳しい稼働の様子やメンテナンスの状況に加え、今後の再生可能エネルギー動向を見据えた展望など、幅広い視野を持って事業を展開する中川社長に、その熱い想いを語っていただきました。

▶︎中川工業株式会社のWEBページはこちら

中川一郎社長

信頼できるスタッフと幅広い製品ラインナップが決め手に!

−−アルレコ社・AK640VEの導入にあたり、実際に使用されている事業所を視察された際、どのような印象を持たれましたか?

中川社長:
「サナースの営業の方と一緒に、3カ所程度現場を見せてもらいましたが、実際に動いている様子を見て、それまで説明を受けていた通り、処理能力がかなり高いと感じましたね。

それに、使用している方の声を聞けたのがとてもよかったです! 彼らの話から、実際の稼働も、おおよそ私が抱いていたイメージ通りだなと確認できました。

音が静かなことも印象的で、実感を伴って電気式のメリットを理解できましたね

−−AK640VEを導入した一番の決め手は、やはり「処理能力の高さ」だったのでしょうか?

中川社長:
「う〜ん、それはすごく微妙かな(笑)。処理能力はもちろん大きな要素ですが、それだけではないですね……。 機械の性能が良いことは大前提として、その後の対応面についても気にかけていました。AKは海外製だから、メンテナンスなどのアフターフォローをしっかりしてくれるかどうか。ここが大事なポイントでしたね」

−−サナースなら、「(フォロー体制も)大丈夫そうだ」と思っていただけたのでしょうか?

中川社長:
「そうですね、営業スタッフが信頼できると感じました。説明を聞いたり、やり取りしたりしていると、だいたいわかるんですよ。こちらの要望にも、誠意を持って一生懸命対応してくれていましたし、ここなら大丈夫かなという想いがありました。
もちろん、個人的な信頼関係だけでなく、会社全体としての体制もしっかりしていると感じました。それに、今回導入した高速破砕機だけでなく、林業やバイオマス発電系の機械など、サナースが多様な製品を扱っていることも、導入を後押しした面がありましたね。
今後は、林業機械の導入なども視野に入れて検討しており、いろいろと相談や連携ができそうだなと感じています」

サナースが取り扱う林業機械・タワーヤーダー

−−実際、稼働後のメンテナンスやフォローアップはいかがですか? ご期待に添えているでしょうか……。
中川社長:
「導入後も、営業担当の方が素早く迅速に対応してくれますし、フットワークの良さはずっと変わりませんね! 不具合や故障など、何も起こらないに越したことはないですが、機械はなかなかそうもいきませんからね。やっぱりメンテナンスが大事になるので、サナースさんは対応が非常に早くて助かっています」

−−そうした声をいただいて、一安心しました。
 

生産量は2倍 ランニングコスト3〜4割カット さらに作業者のストレス低減も!!


−−AK640Vを導入されてからの、チップの生産量はいかがでしょうか。

中川社長:
「これまでと比較すると、2倍くらいになりましたね!
機械の能力的には3倍程度生産できる力がありますが、当社が作るチップはかなり細かいので、一般的なサイズのチップより量が少し抑制されてしまうんです。でも、その分余裕を持って稼働することができています。

破砕機から排出されたチップ材

以前の機械はかなり目一杯、90%以上で動かしていましたが、今は60〜70%の力で生産量が2倍ですから、やっぱり段違いですね。
AKは電気式なので、メンテナンス自体にかかる時間はかなり少なくて済みますが、点検したり掃除したりしながら、休ませる時間はやっぱり必要です。少ない稼働時間で生産量を確保できることは余裕を持った作業につながり、機械にも、機械を動かす人にも優しいと感じています」

−−AKのランニングコストについて、これまでの機械と違いはありましたか?

中川社長:
「コスト面ではかなり変化がありました。ランニングコストでいうと、おおよそ3〜4割削減できましたね。
視察で訪ねた会社からも同様の話を聞いていたので、予想通り順調にコストカットできているという感じです。
そして、先ほども少し触れましたが、メンテナンス面ではかなり楽になりました。燃料を追加する必要がないですし、点検事項もとても少ないので、作業員も喜んでいます」

−−その他に、現場で作業する方々から挙がっている感想などはありますか?

中川社長:
「何といっても音が静かだから、作業しやすいようです。大きな音の中で長時間作業していると、どうしてもストレスを感じてしまいますよね。騒音が低減し、快適度合がアップしました。

AK640VEに材料を投入する様子

あと、電気式は安全面でもメリットがあると感じていますね。燃料を使っていないので火災の心配が少なく、排熱もエンジン式とは質が異なります。そうした面でも、仕事環境が向上したと思います。
効率が上がったことで、余裕を持って作業に取り組めるという安心感も大きいですね」
 

プラント全体で脱CO2を目指し、SDGsに貢献!


−−その他の機械も電気式に切り替えて、CO2を排出しないプラントを目指しているとお聞きしました。

中川社長:
「少し前に、油圧ショベルも電気式のものを導入しました。 エンジン式から電気式に切り替えていくことで、着実にCO2削減を実現していきたいと考えています。

プラント内の作業風景

廃棄物処理を行えば、以前は単なる「ごみ」であった木の枝や幹が、木質チップなどの燃料に生まれ変わります。こうした面でも、当社で処理事業を開始した時から、地域の事業者に必要とされている実感がありましたが、この数年は、さらにそこからもう一歩進んでSDGsや脱炭素の考え方が浸透しています。ですから、処理事業そのものだけでなく、プラント自体のCO2削減も求められていると実感します。
繰り返しになりますが、電気の機械に切り替えていくことで、環境面はもちろん、騒音の問題も解決できますから、地域住民の方々にも良いことだと感じます。今はまだ途中段階ですが、CO2を排出しないプラントを目指して、これからも電気式の機械を導入していきたいです」

中川工業の事務所

−−中川社長の環境への熱い想いの原点は、どこにあるのでしょうか?

中川社長:
「当社は元々、先代が林業から始めた会社なので、山で仕事をさせてもらってきた、という意識は強いかもしれません。
実際に自然の中で仕事をしていると、やっぱり環境的に以前とは異なる部分が出てきているのを肌で感じますね。全てが地球温暖化の影響かはわかりませんが、確実に変化してきていると感じます。
山が荒れて食糧が減っているからか、これまではいなかった場所でもクマや鹿、イノシシを見かけるようになりました。クマは木の幹を削って舐めるんですが、その影響で枯れてしまう木も増えています。
やはり私たちは自然環境あっての存在ですから、温暖化の影響を食い止めるために、少しでもできることをやっていきたい。そういう想いがあります」
 

エネルギーの地産地消を目指して


−−中川社長は、バイオマス発電事業などにも関心を持たれているとお聞きしました(詳細は前編参照)。

中川社長:
「当社は現在、木質チップを生産することで再生可能エネルギーに携わっていますが、私自身は、エネルギーの『地産地消』が大事なんじゃないかと考えているんです。
富山県の周辺地域では、バイオマス発電所が次々新設されています。これは私の個人的な考えですが、そのうちに燃料自体が足りなくなるのではないかと予想しています。
そうなった時に、海外製のペレットを輸入してきて発電するのはどうなんだろう……という想いがあるんですね。現在でも、PKS(やし殻)を輸入している発電所もありますし、その会社の考え方もあるので一概に否定はできませんが、私としては、やっぱり、地域の資源は地域で使うのが一番だと思っているんです」
−−バイオマス発電は「エコなエネルギー」と言われますが、わざわざ輸入してきたものを使っていたら、本当に環境に良いことなのか……疑問も出てきますよね。

中川社長:
「そうなんです。資源が地域で循環する=地産地消することに意味があるので、何とかそうした仕組みを整えることができればと考えています。
地産地消を実現するために私が今一番力を入れているのが、木質チップの質を上げることです。石炭と同等程度のカロリーを有したチップで値段も同じであれば、より多くの発電所に選んでもらうことができます。そうした高品質のチップを目指して、どうしたら質の向上を図れるのか、いろいろと試行錯誤している最中です」

完成したチップ

−−地域でエネルギーが循環することまで視野に入れて、事業を展開されているんですね。

中川社長:
「品質がよければ『このチップでないとダメだ!』となり、(輸入品よりも)選んでもらえると思います。そうすると、自然とエネルギーが地域で循環するようになりますからね。そこを目指して、日夜チップの改良に励んでいます!
とはいえ、現状ではこれ以上今の事業所内で生産量を増やすのは難しい状況です。生産量アップのためには、品質の向上を目指しながら、同時に県内に新しい処理施設を設け、そこを拠点にチップを再生していくしかないだろうと思っています。
どちらにしても、品質の高さが不可欠で、今はまだそのレベルにまでは至っていないと感じています。もう一つ二つ工夫を施して、品質向上を図っていくことが直近の目標です」

−−ありがとうございました。 私たちサナースも、引き続き全力でサポートしていきます!

(おわり)

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アルレコ社・高速破砕機AKシリーズ