展示会スマートエネルギーWeek内で開催される国際バイオマス展に出展致します。

スマートエネルギーWeekはバイオマス発電、太陽光発電、風力発電や二次電池、水素・燃料電池などエネルギー分野7展が同時開催される展示会です。

世界中から来場する世界最大級のエネルギー総合展で、セミナープログラムも豊富。全200公演行われます。
また資源回収・リサイクル・再製品化技術も紹介されるサーキュラー・エコノミーEXPOや脱炭素経営EXPOも同時に開催されます。

弊社はその中のバイオマス展にグループ会社KSバイオマスエナジーと共同出展致します。
カタログや動画を用いて木質破砕機チッパーマテハン機ニューマチックアンローダーを中心に御説明を行います。

弊社の製品について詳しく話を聞いてみたいと思っていた方、この機会にご来場ください。
  • 公式サイト:国際バイオマス展
  • 会場:東京ビッグサイト
  • 会期:2月28日(水)~3月1日(金)
  • サナース小間番号 : 東3ホール 小間番号 E22-30
展示会への入場は無料です。来場登録が必要です。

今回ご紹介する中川工業株式会社様(以下、敬称略)は、富山市内で林業や土木、廃棄物処理業など、幅広い事業を展開しています。
2023年3月に、ドイツ・アルレコ社の高速破砕機AK640VE(電気式)を導入いただき、現在順調に木質チップの生産量を増やしています。

前編は、当社営業の山下陽介に、導入までの検討経緯や会社のビジョンなどについて話を聞きました。

▶︎中川工業株式会社のWEBページはこちら
 

電気式高速破砕機・AK640VE導入に至った経緯


2021年、山下は前任者から中川工業の担当を引き継いだあとの状況について、こう説明します。
 
営業担当の山下陽介

営業担当・山下(以下山下):
「中川工業はそれまで、エンジン式の高速破砕機を使用されていましたが、工場全体でCO2削減を加速させていくために、電気式に切り替えたいという意向をお持ちでした。

前任者が実際に電気式のAKシリーズを導入している現場にご案内するなど、ご検討のサポートをしていました。現場を見たり実際に導入された事業者の方に話を聞いたりして、具体的なイメージを持つことができたようですね。

私が担当を引き継ぐ時には、導入に向けて詳細部分の調整などを行う段階に入っていました」

実際に稼働するAK640VE

中川工業がAKの導入前に使用していたのは、国産の破砕機でしたが、輸入機械の導入について、不安などはなかったのでしょうか。
中川社長は非常に研究熱心で、常に時代の一歩も二歩も先を見ていらっしゃる方です。目標実現のために、さまざまな試行錯誤も厭いません。その一つの手段として、性能の良い機械の導入を検討されていたのだと思います。

電気でも効率的に動くかどうか、目指す方向に近づいていけるかどうかを重視する機械を探していたところ、輸入機械になったということではないでしょうか。

もちろん、故障時などのフォローアップ体制などは気にされていましたので、メンテナンス面でのサポートについては、しっかりと継続してアフターサービスしていく旨をご説明しました」

 

「CO2排出ゼロプラント」を目指して

エンジン式を使用している場合、電気式に替えるためには工事が必要となるなどのハードルがあり、二の足を踏む経営者もいます。しかし、中川工業の社長には、そうした面は一切なかったといいます。

山下:
「中川社長は当初から、電気式に非常に強い関心を持たれていました。デメリットが強調されがちな電気式機械ですが、エンジン式に比べて機械の寿命が長く、長期的な視点で見れば有利な点の方が多いです。

そのあたりは、私たちの説明に加え、視察を通して納得いただいたようでした。

また、中川社長は今後、二酸化炭素を排出しない『CO2ゼロプラント』を実現したいという構想もお持ちです。その第一段階として、電気式のAK640VEの導入が位置付けられていたのだと思います。

油圧ショベルなども電気式のものを導入されており、現状でもCO2の排出はかなり削減されています。環境面に対する意識がとても高い会社です」

電気式の機械が複数稼働する中川工業のプラント

未来を見つめ、社会のために挑戦し続ける会社

中川社長の探究心は、高速破砕機だけに留まらず、非常に多岐に渡っているといいます。

山下:
「中川社長には、導入いただいた破砕機以外にも、林業機械やバイオマス発電に関する情報など、訪問時やお電話でたくさんご質問をいただきました。

私自身は、それにお応えするのに精一杯だった面もありますが、社長とお話しさせていただくなかで、『未来をしっかりと見据え、社会のために今後進む道を自ら開拓していく姿』を見せていただき、大変感動しました。

社長が目指す未来を実現するために、少しでもお役に立ちたいという気持ちで、これまで伴走してきましたね」
 

自社だけでなく、地域社会全体を盛り上げながら循環型社会を築く

廃棄物からの木質チップ生産、CO2ゼロプラントの実現など、中川社長の環境配慮を重視する姿勢は一貫しています。

山下:
「中川工業は元々林業からスタートされた会社ということもあり、木材関連の再資源化などには常に注目されてきました。

また、バイオマス発電やバイオガス発電・熱利用などについても高い関心を持たれています。これまでも、発電事業などに強い協力会社の方や、セミナーなどの情報をご紹介させていただきました。

中川社長の目には、他の団体や会社と協力して再生可能エネルギー事業に取り組むことで、地域全体を盛り上げ、活性化しながら循環型社会を築いていきたい、という明確なビジョンがあります。

自社にとどまらず、地域全体で環境に配慮しながら発展していこうとする姿は、とても頼もしいと感じます。今後もできる限り、サポートさせていただきたいです」

AK640VEでチップ化する様子

後編では、AK640VE稼働後の状況(生産量やオペレーターの作業環境、コスト面の変化)、今後の展望などについて、中川社長ご自身にお話を伺います。

(後編へつづく)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

▶︎本記事の後編はこちら

▶︎アルレコ社・高速破砕機の製品情報についてはこちら
アルレコ社・高速破砕機AKシリーズ 富山市内で林業や土木、廃棄物処理業など、多岐に渡る事業を展開している中川工業株式会社様(以下、敬称略)。

本記事では、2023年春に導入いただいた、アルレコ社・高速破砕機AK640VE(電気式)の経緯や稼働状況などをご紹介しています。

前編では、当社営業の山下陽介に導入までの検討経緯などについて話を聞きました。後編は、社長の中川一郎氏へのインタビューをお届けします。

AK導入後の詳しい稼働の様子やメンテナンスの状況に加え、今後の再生可能エネルギー動向を見据えた展望など、幅広い視野を持って事業を展開する中川社長に、その熱い想いを語っていただきました。

▶︎中川工業株式会社のWEBページはこちら

中川一郎社長

信頼できるスタッフと幅広い製品ラインナップが決め手に!

−−アルレコ社・AK640VEの導入にあたり、実際に使用されている事業所を視察された際、どのような印象を持たれましたか?

中川社長:
「サナースの営業の方と一緒に、3カ所程度現場を見せてもらいましたが、実際に動いている様子を見て、それまで説明を受けていた通り、処理能力がかなり高いと感じましたね。

それに、使用している方の声を聞けたのがとてもよかったです! 彼らの話から、実際の稼働も、おおよそ私が抱いていたイメージ通りだなと確認できました。

音が静かなことも印象的で、実感を伴って電気式のメリットを理解できましたね

−−AK640VEを導入した一番の決め手は、やはり「処理能力の高さ」だったのでしょうか?

中川社長:
「う〜ん、それはすごく微妙かな(笑)。処理能力はもちろん大きな要素ですが、それだけではないですね……。 機械の性能が良いことは大前提として、その後の対応面についても気にかけていました。AKは海外製だから、メンテナンスなどのアフターフォローをしっかりしてくれるかどうか。ここが大事なポイントでしたね」

−−サナースなら、「(フォロー体制も)大丈夫そうだ」と思っていただけたのでしょうか?

中川社長:
「そうですね、営業スタッフが信頼できると感じました。説明を聞いたり、やり取りしたりしていると、だいたいわかるんですよ。こちらの要望にも、誠意を持って一生懸命対応してくれていましたし、ここなら大丈夫かなという想いがありました。
もちろん、個人的な信頼関係だけでなく、会社全体としての体制もしっかりしていると感じました。それに、今回導入した高速破砕機だけでなく、林業やバイオマス発電系の機械など、サナースが多様な製品を扱っていることも、導入を後押しした面がありましたね。
今後は、林業機械の導入なども視野に入れて検討しており、いろいろと相談や連携ができそうだなと感じています」

サナースが取り扱う林業機械・タワーヤーダー

−−実際、稼働後のメンテナンスやフォローアップはいかがですか? ご期待に添えているでしょうか……。
中川社長:
「導入後も、営業担当の方が素早く迅速に対応してくれますし、フットワークの良さはずっと変わりませんね! 不具合や故障など、何も起こらないに越したことはないですが、機械はなかなかそうもいきませんからね。やっぱりメンテナンスが大事になるので、サナースさんは対応が非常に早くて助かっています」

−−そうした声をいただいて、一安心しました。
 

生産量は2倍 ランニングコスト3〜4割カット さらに作業者のストレス低減も!!


−−AK640Vを導入されてからの、チップの生産量はいかがでしょうか。

中川社長:
「これまでと比較すると、2倍くらいになりましたね!
機械の能力的には3倍程度生産できる力がありますが、当社が作るチップはかなり細かいので、一般的なサイズのチップより量が少し抑制されてしまうんです。でも、その分余裕を持って稼働することができています。

破砕機から排出されたチップ材

以前の機械はかなり目一杯、90%以上で動かしていましたが、今は60〜70%の力で生産量が2倍ですから、やっぱり段違いですね。
AKは電気式なので、メンテナンス自体にかかる時間はかなり少なくて済みますが、点検したり掃除したりしながら、休ませる時間はやっぱり必要です。少ない稼働時間で生産量を確保できることは余裕を持った作業につながり、機械にも、機械を動かす人にも優しいと感じています」

−−AKのランニングコストについて、これまでの機械と違いはありましたか?

中川社長:
「コスト面ではかなり変化がありました。ランニングコストでいうと、おおよそ3〜4割削減できましたね。
視察で訪ねた会社からも同様の話を聞いていたので、予想通り順調にコストカットできているという感じです。
そして、先ほども少し触れましたが、メンテナンス面ではかなり楽になりました。燃料を追加する必要がないですし、点検事項もとても少ないので、作業員も喜んでいます」

−−その他に、現場で作業する方々から挙がっている感想などはありますか?

中川社長:
「何といっても音が静かだから、作業しやすいようです。大きな音の中で長時間作業していると、どうしてもストレスを感じてしまいますよね。騒音が低減し、快適度合がアップしました。

AK640VEに材料を投入する様子

あと、電気式は安全面でもメリットがあると感じていますね。燃料を使っていないので火災の心配が少なく、排熱もエンジン式とは質が異なります。そうした面でも、仕事環境が向上したと思います。
効率が上がったことで、余裕を持って作業に取り組めるという安心感も大きいですね」
 

プラント全体で脱CO2を目指し、SDGsに貢献!


−−その他の機械も電気式に切り替えて、CO2を排出しないプラントを目指しているとお聞きしました。

中川社長:
「少し前に、油圧ショベルも電気式のものを導入しました。 エンジン式から電気式に切り替えていくことで、着実にCO2削減を実現していきたいと考えています。

プラント内の作業風景

廃棄物処理を行えば、以前は単なる「ごみ」であった木の枝や幹が、木質チップなどの燃料に生まれ変わります。こうした面でも、当社で処理事業を開始した時から、地域の事業者に必要とされている実感がありましたが、この数年は、さらにそこからもう一歩進んでSDGsや脱炭素の考え方が浸透しています。ですから、処理事業そのものだけでなく、プラント自体のCO2削減も求められていると実感します。
繰り返しになりますが、電気の機械に切り替えていくことで、環境面はもちろん、騒音の問題も解決できますから、地域住民の方々にも良いことだと感じます。今はまだ途中段階ですが、CO2を排出しないプラントを目指して、これからも電気式の機械を導入していきたいです」

中川工業の事務所

−−中川社長の環境への熱い想いの原点は、どこにあるのでしょうか?

中川社長:
「当社は元々、先代が林業から始めた会社なので、山で仕事をさせてもらってきた、という意識は強いかもしれません。
実際に自然の中で仕事をしていると、やっぱり環境的に以前とは異なる部分が出てきているのを肌で感じますね。全てが地球温暖化の影響かはわかりませんが、確実に変化してきていると感じます。
山が荒れて食糧が減っているからか、これまではいなかった場所でもクマや鹿、イノシシを見かけるようになりました。クマは木の幹を削って舐めるんですが、その影響で枯れてしまう木も増えています。
やはり私たちは自然環境あっての存在ですから、温暖化の影響を食い止めるために、少しでもできることをやっていきたい。そういう想いがあります」
 

エネルギーの地産地消を目指して


−−中川社長は、バイオマス発電事業などにも関心を持たれているとお聞きしました(詳細は前編参照)。

中川社長:
「当社は現在、木質チップを生産することで再生可能エネルギーに携わっていますが、私自身は、エネルギーの『地産地消』が大事なんじゃないかと考えているんです。
富山県の周辺地域では、バイオマス発電所が次々新設されています。これは私の個人的な考えですが、そのうちに燃料自体が足りなくなるのではないかと予想しています。
そうなった時に、海外製のペレットを輸入してきて発電するのはどうなんだろう……という想いがあるんですね。現在でも、PKS(やし殻)を輸入している発電所もありますし、その会社の考え方もあるので一概に否定はできませんが、私としては、やっぱり、地域の資源は地域で使うのが一番だと思っているんです」
−−バイオマス発電は「エコなエネルギー」と言われますが、わざわざ輸入してきたものを使っていたら、本当に環境に良いことなのか……疑問も出てきますよね。

中川社長:
「そうなんです。資源が地域で循環する=地産地消することに意味があるので、何とかそうした仕組みを整えることができればと考えています。
地産地消を実現するために私が今一番力を入れているのが、木質チップの質を上げることです。石炭と同等程度のカロリーを有したチップで値段も同じであれば、より多くの発電所に選んでもらうことができます。そうした高品質のチップを目指して、どうしたら質の向上を図れるのか、いろいろと試行錯誤している最中です」

完成したチップ

−−地域でエネルギーが循環することまで視野に入れて、事業を展開されているんですね。

中川社長:
「品質がよければ『このチップでないとダメだ!』となり、(輸入品よりも)選んでもらえると思います。そうすると、自然とエネルギーが地域で循環するようになりますからね。そこを目指して、日夜チップの改良に励んでいます!
とはいえ、現状ではこれ以上今の事業所内で生産量を増やすのは難しい状況です。生産量アップのためには、品質の向上を目指しながら、同時に県内に新しい処理施設を設け、そこを拠点にチップを再生していくしかないだろうと思っています。
どちらにしても、品質の高さが不可欠で、今はまだそのレベルにまでは至っていないと感じています。もう一つ二つ工夫を施して、品質向上を図っていくことが直近の目標です」

−−ありがとうございました。 私たちサナースも、引き続き全力でサポートしていきます!

(おわり)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

▶︎本記事の前編はこちら

▶︎アルレコ社・高速破砕機の製品情報についてはこちら
アルレコ社・高速破砕機AKシリーズ