2023 森林・林業・環境機械展示実演会(林業展)に出展します。
  • 主催者 林業機械化協会
  • 公式サイト : 林業機械化協会 展示会
  • 日時 :
    2023年11月12日(日)9:00~16:30
    2023年11月13日(月)9:00~15:00
  • 会場 : 茨城県ひたちなか市 笠松運動公園
  • サナース小間番号 : 35
    2023 林業展サナースブース位置

展示実機

  • 長物チップが出にくい自走式切削チッパー機 ERJO社製9/93C

  • 伐倒・造材・はい積みまで1台でこなすKONRAD社製 ハーベスタヘッドWOODY
    WOODY40 (適合ベースマシン0.28㎥クラス以上)とWOODY60 (適合ベースマシン0.6㎥クラス以上)モデルを展示します。
ご来場の際には弊社ブースに是非お立ち寄りください。

現在稼働中のアンローダーが更新時期を迎えている、荷下ろし時の粉塵の飛散を防ぎたい……。こうしたお悩みをお持ちの港湾事業者の方も多いのではないでしょうか?

2021年末、ノイエロ社のニューマチックアンローダーの取り扱いを開始した弊社サナースですが、今年3月、大手港湾サービスA社及び商社B社とともに、稼働中の実機視察のためにフィリピンを訪れました。

視察では、同行した両社からニューマチックアンローダーの性能についてお墨付きをいただいたことに加え、日本の港湾荷役現場に最適な「新機種」の情報も入手することができました。

本記事では、視察に参加したサナース営業部の小寺に、新機種の詳細情報や視察した実機の様子、同行した2社の反応などを聞きました。

営業部 小寺英二


視察で判明した最新機種「スマートポート」 日本の港湾業者に最適!


ドイツ・ノイエロ社は、世界NO.1シェア(60%)を占め、これまで、5000台以上を販売してきた実績を有しています(2021年現在)。


圧倒的なパワー、粉塵を飛散させない、省エネ性能など、その素晴らしさはみなさまにご理解いただくものの、日本での導入実績がないため導入に踏み切れない……といった声を数多くいただいてきました。また、ノイエロ社の大型機はイニシャルコストが大きく、ご決断が難しい部分もありました。

ノイエロ社のニューマチックアンローダー既存3種仕様


今回視察で発売が判明した最新機種・スマートポートは、上記中型マルチポートと超小型GSDの中間に位置するタイプとなります。

最新機種「スマートポート」の全体像。

小寺: 「GSDは小型で簡易タイプのため、大型のニューマチックアンローダーの故障時などに使用するサブ的な役割を担う目的で導入されることが多い機械です。

一方で、大型のフレキシポート及び中型のマルチポートは、非常にパワフルで効率化を促進できるものの、導入面でのイニシャルコストなどを考えると負担が大きい、といった課題がありました。

新機種の“スマートポート”は、大型〜中型機と比較した場合、イニシャルコストを抑えることが可能です。しかも、ノイエロ社のニューマチックアンローダーの特徴の一つである、『粉塵やほこりを出さない』といったメリットは変わらず享受することができます。

ノイエロ社のニューマチックアンローダーは、どの機種でも共通して、吸い上げ時はもちろん、排出時にも粉塵が飛散する心配がありません。“スマートポート”は、多くの港湾関係者が頭を悩ませる喫緊の課題である「粉塵問題」を解決してくれる、とても頼もしい機械です」

最新機種「スマートポート」が実際に稼働する様子。

小寺: 「実は、今回の視察に行く前まで、“スマートポート”の存在も認識しておらず、私自身も現地でノイエロ社の担当者に話を聞くまで、わかっていませんでした。

実際、“スマートポート”が発表されたのはごく最近だったようです。

視察に同行いただいたA社(大手港湾サポート企業)とB社(商社)の担当者の方も、GSDでは性能的に厳しいため※、GSDと中型のマルチポートとの中間程度の機械があればベストなのだが……と話していたところ、現地でそれに該当する“スマートポート”の販売開始が判明したのです。
※具体的には、木質系材料搬送能力がプロジェクトファイナンスを組む条件は200t/hであり、GSDだと該当しないが、マルチポートS―300であれば該当する。

スマートポートの仕様


“スマートポート”は、日本の港湾業者の方々のニーズにマッチし、課題解決に貢献してくれるだろうと両社から評価いただきました。既に、導入に向けて検討を始めた業者も出ていると聞いています」


港湾サービス業者、商社も納得のノイエロ社製ニューマチックアンローダー


今回の視察では、スマートポートの情報を入手するとともに、実際にマルチポート及びGSDの2種類の機械を見学することができました。小寺は、その印象を次のように語ります。

小寺 「マルチポートが実際に稼働している時の音を聞いて、直感的にとても静かだと感じました。実際機械直下で測定しても82dBと、他の機械と比較してかなり静かなことが証明されました。

また、機械自体がとてもシンプルに造られており、故障しづらくメンテナンスもしやすいだろうと感じました。

A社(大手港湾サポート企業)、B社(商社)ともに、想像以上の静かさに驚くとともに、メンテナンスにコストや時間がかからない構造など、製品としての完成度の高さに納得されていました。

以前から両社は、『実際に機械を見てみたい』と強く視察を希望されていましたが、長引くコロナ禍で延期されてきた経緯があります。今回マルチポートとGSDを見学され、『自信をもって港湾業者に勧められる機械だとわかった』と述べていましたね。

埠頭で作業するマルチポート。

今回の視察では、バルク船の到着が予定より遅れてしまったために、実際に積み下ろしを見ることはできなかったのですが、特別に動かしていただくことで、実動している感覚はつかむことができました」


輸入機械特有の「故障・メンテナンス問題」にも対応(解決)! 大手港湾サービスと連携


ノイエロ社だけでなく、「輸入機械」全般に対し、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。サナースでも、海外製機械が持つ「メンテナンス関連の課題」について、導入される方々の不安を払拭したいと考え、対応策を検討してきました。

小寺 「今回の視察で、ご同行いただいた大手港湾サポート企業A社及び商社B社と、弊社との連携が正式に決定しました。導入後のメンテナンスや故障などのアフターサービスについては、A社が全面的に担当してくださいますのでご安心ください。

過去の海外機械において、メンテナンスや故障への対応に不備があったことから、輸入機械への不信感をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、ノイエロ社製品については、このような心配は不要です。

マルチポートの作業風景。

A社は、港湾荷役分野での長年の実績を有し、多くの港湾事業者との信頼関係を築いている会社です。弊社も、A社、B社とタッグを組んで導入の支援ができることを、大変心強く感じています。

機械の性能については、兼ねてからノイエロ社を上回るものはないと自信を持ってきましたが、今回の視察で両者との連携が決まり、さらにサービス面も盤石となりました。

アンローダー機械の更新を検討されている港湾事業者の方には、是非その選択肢の一つに入れていただきたいです」


世界シェア6割! ノイエロ社のニューマチックアンローダーが誇る性能


ノイエロ社のニューマチックアンローダーは、上述した「粉塵を出さない」「静かさ」「メンテナンス面」だけでなく、機種を問わず圧倒的な吸い込み能力、省エネの実現など、世界シェア6割も納得の性能を有しています。

下記にて、具体的に解説します。

●圧倒的なパワー(吸い込み能力)
吸い込み能力が非常に高いため、スピーディーに作業を行うことが可能です。荷揚げ時間の短縮につながり、作業全体の効率化、コストカットにも貢献します。

また、小麦や大豆、飼料はもちろん、比重の重いバイオマス燃料(PKS)なども取り扱い可能です。

マルチポートが稼働する様子。


●常に改良 → 省エネ・処理能力アップを実現
ノイエロ社は、世界中でコンスタントに販売を続けてきたなかで、利用者の声を着実に反映して、地道な改良を行ってきた実績があります。 これにより、常に進化を続け、処理能力アップや省エネ化に成功してきました。最新機では、機械稼働時のエネルギー使用量が非常に少なくなっています。

【フレキシポートの消費電力】
●28~37%の省電力を実現
旧式 1.1kW
現行 0.7~0.8 kW / ht

また、ニューマチックアンローダは、機械式と比べて取り切れない残留量が少なく、底さらい重機も仕上げ程度の使用となります。このため、重機の小型化も望めます。

省エネ効果はもちろんですが、メンテナンスについてもケアする品目が少なく、消耗品コストに差が出るため、効率化につながります。

GSDが稼働する様子。

●設置コストも下げられる
同規模の機械と比較するとアンローダー自体の重量が軽く、設置も短時間で行えるメリットがあります。ランニングコストに加えて、設置コストも抑えられるのが魅力の一つです。

【各種重量】
フレキシポート  約200t
マルチポート   約200t
スマートポート  約40t(S−300の場合)
GSD       6.8~7.6t
※それぞれ仕様装備により異なります。

ご関心のある方は、お気軽に下記までお問い合わせください。
今回ご紹介するのは、徳島市で土木・建築工事や大型太陽光発電所工事など、幅広い業務を手掛ける株式会社成島建設様(以下、敬称略)です。

成島建設は、スイス・メンツィムック社製の4輪多関節型作業機械「スパイダー」(M545X)にいち早く着目され、オペレーターも国内最多の4名が在籍しています。日本で初めて本格的な工事現場でスパイダーを使用したのも成島建設で、「スパイダー」の知識や操縦において、右に出る者はいないと言っても過言ではありません。

河川で作業するスパイダーと成島建設のオペレーターの方々

スイスでのオペレーションライセンスの取得からメガソーラー工事での使用、自社への導入まで、成島建設とスパイダーの「歴史」を当社担当の米村拓郎に聞きました。また、「スパイダー」の可能性について、成島建設の五島満専務に語っていただきました。

成島建設・五島満専務



スイス本社も納得のオペレーション技術


急傾斜地や複雑な地形をものともせず、高い性能を発揮する「スパイダー」。成島建設は、ある大手企業から相談を受け、2017年にライセンスを取得することになりました。

一連の経緯を、米村はこう話します。 



米村: 「当時予定されていた鹿児島県の大型メガソーラー、『鹿屋大崎ソーラーヒルズ太陽光発電所』の工事にスパイダーを使用したいということで、開発を担当する会社から成島建設にライセンス取得についての打診があったそうです。

それで、2016年にはスイス視察へ、そしてその翌年(2017年)には、やはりスイスにて、スパイダーのオペレーションライセンスを4名が取得しました。この資格は、日本で6名しか保有者がおらず、そのうち4名、つまり3/4が成島建設に在籍していることになります。



スイスでのライセンス取得の際の様子①


ライセンスを取得した際も、スイス人の指導者から『非常に高い技術を持っていて驚いた』と評価されるなど、成島建設の社員の方の技術力、そしてスパイダーへの熱意は並々ならぬものがあったのだと思います。

その頃、私はまだ担当ではありませんでしたが、現在のみなさんを見ていれば、当時の様子も想像できますね。今も変わらない熱意と意欲をお持ちですから」




スイスでのライセンス取得の際の様子②



自然に配慮したメガソーラー建設に貢献


実際にスパイダーを使用した大規模太陽光発電所の工事は、どのようなものだったのでしょうか。

米村: 「スパイダーは、見た目通り4つのタイヤとアームが自由自在に動くことで、通常では作業が難しい急斜面地などでも活躍するのが大きな特徴です。

成島建設が参画したメガソーラー工事では、スパイダーを使用することで造成を行わず、土地なりに太陽光パネルを設置することが可能になりました。一般的な重機を用いて施工する場合、機械が作業できる状態にするために、傾斜を均す造成が不可欠です。

陽光発電所の建設工事の様子

現場はバブル期にゴルフ場建設の計画が中止された土地で、敷地内には急な斜面もあったようですが、スパイダーならこうした場所でも作業できますので、整備する必要がなくなります。

造成工事が不要になれば、工期を短縮することはもちろんですが、メリットはそれだけではありません。土を削るとその分、雨が降った時などに土砂として流出してしまう可能性が出てきます。これが、周辺の地下水を汚染してしまうケースもありますので、スパイダーの活用により、自然に配慮した環境調和型の工事ができるんですね」

杭打ち工事の様子(太陽光発電所工事)

斜面での杭打ち工事は非常に難易度の高い作業ですが、成島建設の高い技術力で、無事に完成させることができました。さらに、造成を行わずに太陽光発電所を建設する「新工法」としても、注目が集まりました。


満を持して、自社でも導入へ


米村はこれまで担当するなかで、成島建設の社員のみなさんの、スパイダーへの熱い想いを実感してきたといいます。 

米村: 「4名のライセンス保有者のうちのお一人が、五島専務です。専務中心にスパイダーチームが組まれているのですが、みなさんとお話ししていると、スパイダーへの『愛の深さ』を感じずにはいられません(笑)

スパイダーと成島建設のオペレーターのみなさん

正直、私なんかよりも全然スパイダーに詳しいですよ。こちらが教えていただくこともあるくらいです。実際にオペレーターとしての操縦経験が大きいのでしょうが、それだけではみなさんのように、機械全般に精通するのは難しいと思います。常に細かい点まで気を配り、研究されていることが伝わってきます。その真摯な姿勢を、とても尊敬していますね」

技術の高いオペレーターを有していることもあり、成島建設は、自社でもスパイダーを導入したいと考えていました。そのチャンスが巡ってきたのが、2021年です。

米村: 「成島建設では、兼ねてから林業など環境保全につながる新たな分野へ挑戦していきたいと考えていました。スパイダーを導入することで、こうした新規参入も行いやすくなるという判断で、導入を決意されました。

2021年末に発注しましたが、コロナ禍やウクライナ情勢の影響で部品の調達などに想像より時間がかかってしまい、納車されたのは2023年2月でした。

納車時のスパイダー

納車してまだ数ヶ月という状態ですが、早速電力会社の新設工事にスパイダーを活用するなど、積極的に使用されていますね。林業参入に向けても、精力的に見学・勉強されています。

また、珍しい機械でもありますし、災害復旧時にも大きなポテンシャルを発揮します。そうした面からも注目度が高く、各所から『デモンストレーションをしてほしい』などの依頼が絶えないそうです」 


環境や社会貢献への意識をエンジンに、さらなる成長へ 

成島建設の今後について、米村は「成長間違いなし」と語ります。 

米村: 「成島建設を訪ねる度に、そのパワーに圧倒されます。若い人が多いこともありますが、とにかくみなさんエネルギーに溢れているんです。積極的に新しい分野にも挑戦していこうという意欲も高いですから、これからもっともっと発展していく会社だと思います。 

スパイダーについても、自社の利益にこだわらず、さまざまな依頼に二つ返事で協力してくださいます。その高い性能や能力を理解しているからこそなのでしょうが、すばらしい姿勢だと感じますね。

スパイダーを使用した工事の様子


また、先ほども少し触れましたが、スパイダーは災害復旧の現場でも活躍しますので、災害が起こってしまった際の支援活動に協力・貢献することはもちろん、迅速に対応できるような事前の体制づくりなども念頭におき、活動されています。

以前私が林業関係の仕事をしていた経緯もあり、導入後も林業に関する相談を受けるなど、頻繁にやり取りさせていただいていますが、とても意欲的です。具体的に、どういう案件に参画していくのかなど、一緒に検討しています。高性能機械であるスパイダーのメリットを最大限発揮できる分野で、実績が積み上がるようサポートできたらと思っています。 

スパイダーについては、むしろ私が教えてもらうことばかりで、とてもお世話になっていますので(笑)、林業で少しでもお役に立てるなら、本当にうれしいですね。

成島建設のような、意欲的で環境や社会貢献への意識が高い会社は、これからさらに成長していくと確信しています。良きパートナーとして、今後もともに進んでいけたらと思っています」


最後に、成島建設の五島専務からも、熱いコメントをいただきました。

五島専務: 「スパイダーは、最初に出合った頃から、本当に大きな可能性を秘めた機械だと感じていました。特に土砂災害、水害時などの対応や復旧工事などでは、その力を大きく発揮します。

スパイダーは現在、当社も含めて日本で15台保有されています。そうした企業と連携を取ることで、全国の災害に対応できるようネットワークを組み、社会に貢献していけたらと考えています。

ここ数年、災害が増えているからこそ、迅速に復旧支援ができる体制づくりに努めていきたいです」

今後の成島建設の活躍から、目が離せません。

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スパイダーの製品情報についてはこちら
▶︎ 多関節型作業機械 スパイダー